2007年09月23日

大洋酒造

岩船港鮮魚センターから
今晩泊まる瀬波温泉を通り越して、
村上市内へ。

目指したのは、大洋酒造さん。
以前、
花・花さんの記事
で紹介されいたのが、
こちらの「鳳鱗蔵のひやおろし」。

大洋酒造さんは昭和20年、地元の14の蔵が一緒になってつくられた蔵。
当時蔵の統合は、戦時下の国策な訳だから。
「奈津の蔵」で奈津が税務署に廃業を迫られるシーンを思い出した。

さて、
営業のMさんの案内で「鳳鱗蔵」へ。
昭和43年に造られた工場。
写真は、鳳鱗蔵の入り口。
大洋酒造

圧搾機、連続蒸米機と見て廻った。

大洋酒造

感じたことは、酒造りを行なっていない時期だけど
非常に清潔にしているなぁ〜と思った。
蔵開放しているところって,案外雑然としてたりするけど。

大洋酒造
続いて、麹室へ。
「麹室に入れてくれんですか?」と云うNo-bayに
「隠すことは何もありません。」とMさん。
でも、蔵開放していても、麹室には入れないところの方が多いような気がするけど。
麹室は麹菌を培養する部屋。雑菌だらけの部外者に汚されることを嫌うのだけど、
洗浄・消毒に自信があるんだろうなぁ〜。

大洋酒造
左の酒米が、新潟県の開発した「越淡麗」。
五百万石と山田錦のかけ合わせで開発した酒造好適米。
この酒米、スゴいと思ったのは
後ほど,試飲した時でした。


大洋酒造
その後、仕込みタンクを見てから、
今年の全国鑑評会の出品酒を試飲させていただいた。
「今年は金賞取れませんでした。」
「うちは山田錦での出品はやめて、越淡麗で出品してます。」とのこと。
No-bayも日頃感じることだけど,
日本全国みんなで、兵庫県産山田錦を協会酵母で仕込んだお酒を評価して、
全国的な酒質向上につながるのかなと疑問に思う。
それで、
この出品酒、立ち香る上品でフルーティな吟醸香と云い、
爽やかにキレて、最後に口に残る芳醇な甘み。
「これが、なんで金賞受賞しないんだ。」と云いたくなるお酒でした。
今年呑んだ数銘柄の金賞酒の中には、
この出品酒の方が優っていると思うものあります。

大洋酒造
写真の左は,天日干しされている五百万石。
いいお酒になりそうですね。
その後、
古い蔵で行なわれている村上市の「町屋の屏風まつり」のこちらの屏風を見学。
このお祭り、市内に眠っていた屏風を街中の商店などに展示して
観光客に見てもらうイベントだけど、いいアイデアだと思う。

大洋酒造


じつは、
前の記事でホスピタリティのことを書いたけど、
一番感じたのは,こちらの蔵のMさんの対応。
この日の朝、月岡温泉を目指していたNon-bayの携帯にお電話を戴いた。
前日の夜に見学予約のメールを入れたNon-bayに
「昨日は帰宅して連絡出来ず申し訳ない。(夜中にメールしているNo-bayが悪いのに)」
「気を付けてお越し下さい。」とのこと。なんと丁寧な対応だろう。
そして、郡山に帰宅後にはMさんから葉書で礼状まで戴いた。
ここまでしていただいたら、一生「大洋酒造」の名前は忘れないよね。

こちらで購入したお酒は
大吟醸【 越後流 】。おみやげに五百万石の稲穂を戴きました。
試飲しましたが、出品酒よりかはクセがない呑み飽きないような感じ。

◇大洋酒造株式会社
新潟県村上市飯野1-4-31
電話 0254-53-3145

地図はこちら

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Posted by Non-bay at 20:02│Comments(8)日本酒
この記事へのコメント
そういう気遣いをする蔵元はNon-bayさんを通して信用できますね(^-^)
海坊主も酒米が山田錦が多いと、いかに山田錦から旨い酒を造るかの
幅の狭い技術的な競い合いになり個性的な酒が排除されるようになるのでは
と、思ってました。酒は最終的には趣味趣向の部類なので蔵独自の方向性があってイイと思います(^-^)
Posted by 海坊主 at 2007年09月23日 20:51
☆海坊主 さま☆

山田錦で酵母も同じでは、
全国合唱コンクール課題曲みたいで、
その技術しか問われないような気がします。

もっと各々の個性を、
芸術的に高めていくためのワザの鑑評会になればいいのに
と思います。
Posted by Non-bay at 2007年09月23日 22:03
ほとですね、昨日、海坊主が呑んだ「秋田酒こまち」も
15年かけて交配して誕生した、秋田酒こまちという酒米で造ったそうです。
そのコメントに惹かれチャレンジしてみました(^-^)
Posted by 海坊主 at 2007年09月23日 23:41
実際に蔵元に見学に行くと、酒造りに関わっている人が身近に感じられ
よりそのお酒を深く知りたくなります

この蔵元さんの対応といい、オープンに教えてくれる事といい
ぜひここのお酒が飲んでみたくなりました

確かに山田錦は優秀な酒米かも知れないけど、それのみを高評価してしまう
鑑評会の採点にも、もうちょっと工夫が欲しいと思います

ワインの醸造元のように、自家栽培した酒米と手作り麹を地元の酵母で醸し
それで味の競演が行われる時代が来る事は遠い未来なんだべが…

村上の鮭尽くしで、この蔵元のお酒を楽しんでみたいモンです^^
Posted by タオルマン at 2007年09月24日 00:43
☆海坊主 さま☆

品種改良は時間の掛かるものですが、
各県現状に満足せず、より高レベルを目指して欲しいですね。

特に福島県は、今の「夢の香」に満足せず、
この新潟の「越淡麗」のように高精白で大吟醸を醸す為の
酒米を開発して欲しいと思います。
Posted by Non-bay at 2007年09月24日 08:57
☆タオルマン さま☆

天日干しの五百万石は
蔵人が栽培したものだとの話でした。
麹室に入れてもらう時、
「ウチの奥さんも入って、いいのかな。」と云うNon-bayに
「うちの蔵は、製麹に女性4人が携わっている。」とのことでした。
製麹のデリケートな作業って、
重労働ですけど女性向きかもしれませんよね。


県内の蔵でも、山田錦で仕込んだ酒なのでと
より高い値段で販売している酒が多いですが、
本来地元の農家を大切にして、
地元の米で醸すべきではないかと思います。

ワインのラベルのように、
仕込んだ村の名前や葡萄をつくった人、品種、仕込んだ人の名前が
ラベルに書かれているのは、
それを見ただけで個性的だと思います。
(最近の日本酒は裏ラベルまで貼って,その辺を出すようにしてますが)
本来、表のラベルで表現すべきではないでしょうか。
まぁ、
兵庫県産山田錦を有難がって、買っているうちは無理でしょうけど。
Posted by Non-bay at 2007年09月24日 09:18
花・花のリンク張ってくださってありがとうございます

あのお酒・・結構辛口でした
だいぶ前なので薄ら覚えですいません

花・花も山田錦・・
なんでもかんでも・・書いてあるなー
と思っておりました

世の中って不思議ですよね
これで売れると思うと
そればっかり・・

全国合唱コンクール課題曲は
うけました・・・(^0^)

それにしても・・うらやましい
作り手の・・思いを肌で感じられる
そんな・・N0n-bayさん
すばらしいですね
Posted by ドライアート花・花 at 2007年09月24日 12:48
☆花・花 さま☆

>これで売れると思うとそればっかり・・
そうなんですよね。消費者も、高い値段で山田錦じゃなきゃダメみたいなこと云うんですけど。五百万石でも,美山錦でも美味しいお酒はいっぱいあるんですよ。

>全国合唱コンクール課題曲
うけましたか。これから、たとえ話で使います。

>作り手の・・思いを肌で感じられる
生産現場にお邪魔すると、メーカーの姿勢が感じ取れるような気がします。

是非是非、花・花さんもお出掛けください。
Posted by Non-bay at 2007年09月24日 19:35
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